八百屋です。
八百屋が来ましたイキなりウチに。
さて、昼過ぎに仕事をしていると、玄関で鈴々とドアホンが鳴ったのでダレだろうと思って開けてみると、何と八百屋が来てた。
妙齢の威勢のいいお姉さんが「八百屋で〜す」と言って、たくさんのダンボールを抱えている。八百屋、ですか?と訊き返したら「八百屋です」と。
なるほどそりゃ八百屋だな、と思ってどんなのを売りに来たのかみせてもらうことにした。まあ、色々出てきましたよ「イチ押しの干し柿は・・」「いや、オレ干し柿じゃなくて生の柿が好き」「じゃあみかんドウですか。糖度高くて甘いですよコレ」といって、箱を開けてみせてくれたら、なんとまあ、みかんの甘酸っぱい香りが漂ってきて、思わずクラクラって来たですよ。しかも、みかんはひとつづつ包まれて、とても大切に扱われている感じがなんともスゴイ。ワタクシはみかんが好きである。かなり好きと言っていい。ターゲットはこいつだ。したがってココより交渉を始めることにする。
まずはストレートに「お高いんでしょうコレ。一個で幾らするの?」「120円です」
みかん一個で120円とは豪儀な感じだが、どうもこの香りにクラクラして、金銭感覚がオカしくなってきたっぽい(笑)。
「じゃあさ、箱まとめて買うと?」
「26個入りで、まとめて3000円でいいっす」
「すなわち一個分オトクってことだね」
ということで、マッハで交渉成立。少々ぜいたくとは思ったものの、このみかんをたべてみたいスゲー喰いたい衝動に負けて、あっさり3000円+税を渡してしまう。
他にもデコポンとか山芋とか魅力的な品々を見せてくれたが、いやもう我慢ならん、オイラは早くみかんを食いたい。ということで、名刺だけ戴いてワタクシの手元にはみかんの箱とたくさんのみかんが残る。
八百屋のお姉さんがエレベータで降りきらないうち、もうガサガサと袋を開いてみかんに取りかかってみる。
んっん〜、これは確かに甘い。
ベタな甘さじゃなくて、ちゃんとすっぱい分もありながら、甘い。そして何よりも味が濃くて香りが素晴らしい。良くみると、包んである袋はちゃんと葉っぱの部分が折れないように、切れ込みが入れてあるし、表面が傷付かないように2重になっている。だからといってキレイキレイと言うワケでは無いらしく、良くみると26個の大きさはマチマチだし、チラ見したところ形もかなり凸凹している。
まあ、何れにせよ大事に育てられて、大事にココまで運ばれてきたことがよくわかる。みかんもそれに応えておいしくなったんじゃないかって思うほど。
しかしウチにダイレクトに八百屋さんが来るなんて嬉しいなあ。こういうこともあるんだね、と思いながらもうひとつ、みかんを戴くのであります。
帰り際に八百屋のお姉さんが「みかんはデリケートなんで、箱のフタは開けて風通しを良くして、ちょっと涼しいところにおいてあげてくださいねっ」と言ってドアを閉めた。いい仕事ってのは、こういうものかなって、ちょっと思った。
高いけど美味いっすよ、と自信たっぷりの言葉を信じてよかったなと思う。
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