過日、横浜は本郷台にある「神奈川県立地球市民かながわプラザ・あーすぷらざ」というところへ行って来たです。「100年前の世界へ」という写真展を観るために電車乗り継いで約2時間。この「100年前の世界へ」という写真展は、おおむね100年前にフランスのアルベール・カーンさんが、世界60カ国にフォトグラファーを派遣して、オートクロームと言う天然色写真で世界中を記録した、というプロジェクトの成果を観ることができる展示で、100年前の人々の写真がすらーっと並んでいるさまは、まさに壮観。これが入場無料だなんて、電車賃はたいて本郷台きてホント良かったです。
じっくり眺めていると、世界中の人たちの、まあ、街並みや服装は少々異なってはいるものの、それぞれの国の人たちの中身は、あまり変わらないんじゃないかって気がしたです。文明は急速に進化しているけれど、文化ははるかにゆっくりとした速度で進んでいる、と言う感じかな。興味深い100年前に日本なんて、ちょっとノスタルジックな印象のカラー写真と相まって、とても美しい。街もヒトも、すべて。
いや、もちろんカーンさんの依頼で撮影したフォトグラファーは、おそらくスラム的な場所とか、裏道などは撮らなかっただろうから、どの国においてもキレイ所を押さえているんだろうとは思うけど、それでも、人々の表情や動きから(なんとムービーまで撮っている!)、今よりも何となく優雅でゆったりした、そして貧しいけれど卑屈ではなく、たのしく暮らしている人々を感じ取ることができる気がした。
たった100年前の、何気ない記念写真的なものばかりなのに、100年と言う時間が写真をとても貴重で観るヒトに色々なものを考えさせてくれる情報をもたらしてくれる。100年が写真に色々な付加価値を足して行ったんだろうな。
いや、ほんとこれだけのものを大量に、無料で観ることができるなんて、アルベール・カーンのおっさん太っ腹!死してなお、その意思が引き継がれているマンパワーに敬服するですよ。
しかし、会場となっている「神奈川県立地球市民かながわプラザ・あーすぷらざ」。なんですか地球市民てネーミング(笑)。思わず館長の名前が「海江田」とか言うんじゃなかろうね、と思ったりして。
なんか殺風景な本郷台駅の前に、どかーんとドコからかやってきた宇宙船的なでかい建物のデザインもアレだし、平日とはいえ、写真展もガラガラだったことを考えるとなんだか勿体ないような気がするなあ。まあ、ハコ物大好きお役人らしい仕事っちゃあそれまでなんだけどね。
地球市民プラザというだけあって、2Fや3Fからロビーを見下ろすと、でっかい地球地図が。そしてそのまま天井を見上げると、球形のガラスにその地図が、ロビーの人たちとともに丸く写って見えると言う凝った造り。でも誰も気がついてないみたいだったけど、いいのか、アレで(笑)。
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